(和文題名)ウチキウメノキゴケ属の新種、イブキウチキウメノキゴケ(新称、ウメノキゴケ科)
Moon, K-H., et al., 2013. ウチキウメノキゴケ属の新種、イブキウチキウメノキゴケ(新称、ウメノキゴケ科). 植物研究雑誌, 88(3), pp.140-143. Available at: http://ci.nii.ac.jp/naid/40019758511 [Accessed February 16, 2014].
【R3-00507】2014/03/15投稿

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3行まとめ

滋賀県伊吹山でケヤキの樹皮上から採集されたイブキウチキウメノキゴケ (Myelochroa ibukiensis) として新種記載した。
本種は地衣成分としてロイコチル酸(ロイコティリック酸)、アトラノリン、ゼオリンを含み、本属菌の多くの種が含むセカロン酸は含まなかった。
また、本種は粉芽塊にK+赤紫色のアントラキノン系色素を含むが、同様の性質を持つM. sibiricaとは形態形質およびガルビン酸を含まない点で明瞭に区別された。
滋賀県米原市伊吹伊夫岐神社

(新種)

Myelochroa ibukiensis K. H. Moon, Kashiw. & Keis
イブキウチキウメノキゴケ
語源…伊吹産の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Myelochroa aurulenta
全体的に形態が類似している
地衣成分としてロイコチル酸(ロイコティリック酸)を含むことがある
本種と異なり髄層が白色ではなくレモン黄色
本種と異なり粉芽塊にK+赤紫色のアントラキノン系色素を含まない
本種と異なり地衣成分としてセカロン酸を含み、ロイコチリンも含むことがある
Myelochroa denegans
アントラキノン系色素を含む
本種と異なり日本ではなく東南アジアおよびオーストラリアに分布する
本種と異なり樹皮上地衣でない
本種と異なり粉状のソラリアを持つ
本種と異なり裂片が強く基質に固着する
本種より裂片が細い(幅3 mm以下)
本種と異なり髄層が白色ではなくレモン黄色
本種と異なり地衣成分としてセカロン酸、サラジン酸を含む
Myelochroa salazinica
髄層が白色
地衣成分としてロイコチル酸(ロイコティリック酸)を含む
本種と異なり樹皮上地衣でない
本種と異なり地衣成分としてサラジン酸を含む
Myelochroa sibirica
アントラキノン系色素を含む
本種と異なり日本に分布しない
本種と異なり髄層に数珠状の細胞群を含む
本種と異なり地衣成分としてガルビン酸を含む
Myelochroa leucotyliza(ヒカゲウチキウメノキゴケ)
日本に分布する
本種と異なりパスチュールが決して粉芽に変化しない
本種と異なり地衣成分としてガルビン酸を含む